コンポンチャム生活57日目~活動33日目~(派遣92日目)
昨日はゆっくり休んだので、今日は頑張りまーす。
というわけで、本日は「救急病棟(ER)」に行って参りました~🎉
救急病棟に行き、ひとまず目に入ったのが
なんか自分が作ったものをちゃんと掲示してくれてるっていうだけで、ありがたく思います。
スタッフ「これ見て、みんなあなたのこと知ってるわよ」と…これが吉と出ることを祈ります笑。
そして、普段あんまり見ないのですが、ふとホワイトボードをみると「チャポン」という文字が。。
よくよく見ると、「1月17日と18日に日本のボランティアが来るよ」と書いている!!
これが読めたのも嬉しいけど、これを書いてくれたのが一番うれしい…(*´ω`)✨
はてさて、肝心の病棟見学ですが、本日は患者さんの数が少なくたったの3名。
話を聞いていると、多いときは一日20人来るそうです。
そして、ベッドは6台。
…ん?私の計算間違ってます?
もし20人来たら14人はどうするの?
はい。廊下のストレッチャーを使うそうです。
とはいえ、廊下にあるストレッチャーも6台。
…残りの8人は…うーん、床ということですか??
最近床で寝る患者さんをみても特に何も思わなくなってしまった…。
慣れって怖い。
ってゆーかね、
なんですの?これ。
前回ごみを車いすに乗せて持っていく掃除スタッフを見かけたときもえっ?となりましたが、
ストレッチャーはごみをおくところじゃありません!!!!
…日本人なら当たり前のことなのに、この国では当たり前ではない…
ゴミが溢れてるのに誰も捨てない。
なんかよくわからないごみが処置台にくくりつけてある。
もはや見慣れたカートの引き出しの中身。
なんでこんなところに髪留め。
ECGモニター(心電図モニター)の吸盤部のジェルがちゃんと拭かれておらず、吸盤を押すとジェル飛び出る…苦笑
それでもちゃんとできている部分もある。
ごみ捨てエリアの整頓はきちんとできている。
…こうしたできているポイントを探さなければ発狂しそうになります。
そして、今日一番「はぁぁあぁっ( ゚Д゚)?!」と思ったのが、
患者さんの搬送&待ち時間。
まず、患者さんの搬送は看護師はしません。掃除のおばちゃんたちがします。
まぁ、よく見た光景なので最近はなんとも思わなかったんですが、
痛そうにしている患者さんの姿をみていると、
「なぜ看護師が搬送しないのか」という疑問がふつふつと…。
”看護師がいる”っていうだけでも、患者さんにとったら安心材料の一つなのに。。
確かに、人手不足は認めます。
でも、もう少しなんか温かみのあるケアをしませんか…?
と最近心の声を大にして言いたい。
…でも、これはきっと日本の看護師の価値観。
もっとちゃんとカンボジアの医療を知らないと声を大にしては言えません。
そして、今日見ていた患者さんの一人が「腹部エコー」に行くことになったので、
一緒についていかせてもらいました。
もちろん搬送は掃除のおばちゃん(←搬送と言うより場所案内係で実際に車いすを押すのは家族さん)。
腹部エコー室は救急内科病棟にあるのですが、
一つ目、救急病棟から腹部エコー室までが遠い。
二つ目、腹部エコー室に行くけど、すでに患者さん3人待ち。
三つ目、腹部エコー室にスタッフ不在。
…どういうことですか?これ。
掃除のおばちゃんに「医者呼びにいかないの?」と聞くものの
掃除のおばちゃん「忙しい先生をわざわざ私たちは呼びに行くことはできない」と。
…カンボジア人にとっても、日本人にとっても、「医師」って本当にすごい職業だと思います。
でもね、「医療」の概念って、みんな平等じゃないの??
「忙しい」を理由に患者さんを放置するのはちょっと違うと思うんです。
(↑もちろんカンボジア人スタッフが放置していたかどうかはわからないし、本当に忙しかったのかもしれないけど)
とりあえず、最近「待つ」ことを覚えた私は患者さんと一緒に待ってみる。
…たかがエコー検査、されどエコー…。
患者さんの診察に時間がかかり、待つのは許せても、
なんだかよくわからない「忙しい」を理由に30分待つのは限界でした。
病棟見学の成果をここで発揮してみせようではないか!
以前病棟見学をさせてもらったときにスタッフの顔と名前は(珍しく)憶えている!
私「ソムトッ!ロックルーペートアエナー?ネアッチョムグーバイニャチャームボントッエコー!(ごめん!先生どこ?患者さん3人エコー室で待ってるけど)」
スタッフ「ネアッ オツ チェッ クーニュ ロックルー(先生見つからないの)?」
そこからは早かった。
今回のケースはエコー室で患者さんが待っていることを知らなかったがために、スタッフが誰一人として気づかなかったと…。
…そんなことある…?
けど、カンボジアではあるんですわ。
わりとすぐに先生がエコー検査をしに来てくれました。
先生「君がエコー検査を受けるのかと思ったよ笑」
↑なわけあるかい。
その後、午前の見学は終え、この一か月半でしたためていた(笑)質問リストをもって、
ライブラリーにいるおばちゃん看護師のもとへ。
私は今「研修部」という部署に所属しています。
コンポンチャム病院の研修部は、カンボジア全州立病院に先駆け設置され、他の州立病院の見本になることができたらいいな…的なポジションに位置している部署なんですが…。。
…2017年度4月までは、JICAの助産師さん(専門家さん)が母子保健のプロジェクトをすすめるために、この研修部をうまく先導していたようです。
…はてさて、今研修部は一体何が仕事なんですかい?
ということを聞きに行って参りました。
返答はまさかの「私も知りたい。あなたが聞いてそれを研修部に卸して」
ええええええええええええええええええええええええ!!!!
その後、よくよくおばちゃんの話を聞いていると、今私が思っていることをまんま思ってくれているようでした。
看護師経験たった6年の私が言うのは大変おこがましいのですが、
この病院の看護師の問題は「知識がない」ということ。
「知識」がないというと少し語弊があるかもしれませんが、
「知識」があっても、それがアセスメントにつながっておらず、
結局、患者さんの「ニード」に気付かない。
おばちゃん看護師さんのお言葉を借りるとするなら、
「They can't find the needs of patients, so they can't fill the patient's needs.
That's why the nursing care of this hospital's staff is very low quality.」
意訳すると、
「この病院の看護師は患者のニーズに気付かない、だからそのニーズを満たせない。これがこの病院の看護ケアの質が低い理由」
そうなの!!それそれ!!まさに私が言いたいのはそれ!!
そのニーズにちゃんと気づくことができたら、
長時間患者さんを待たせていることに疑問を持つことができるはずだし、
患者さんを放置して、ナースステーションに誰もいなくなるなんてことはないはず。
間接牽引(整形外科)をしている患者さんに対して、急激に負荷を外すこともしなくなるはずだし、
点滴だって、「なんでこの点滴を投与するのか」がわかれば点滴管理だって当たり前のようにできるようになるはず。
日本の看護師だって、「知識」がきちんと「アセスメント」につながり、
実際の患者さんのケアに結び付くまで、相当な時間がかかります。
看護師になるための授業や実習では、もちろんアセスメントの練習をしますが、
実践でちゃんと活かしていくためには、
実際に患者さんを目の前にし、先輩看護師に指導してもらい、経験を重ねて、やっと「これだ!」と思えるケアにつながります。
おばちゃん看護師はちょうど2年前、そんなことを思い、上長に研修プランを伝えてみたそうです。
「指導する看護師が質が低ければ、育つ看護師の質も低くなる」
…しかし、そんな思いは上長(どうやら副院長兼研修部部長・看護部長)に「必要ない」と一蹴され、そのプランそのものがなくなったそうです。
おばちゃん看護師の言っていることは間違っていない!
…と私は思います。
ボランティア要請理由の一つに「患者ケアの質の向上」が入っていました。
何ができるかはわからないけど、おばちゃん看護師の思いをサポートしていきたい!
何ができるかは漠然としすぎているけど、外国人の私だからこそできる何かがあるはず。
そのためにはまず上長を説得かー…。
ちょっとだけ「青年海外協力隊」っぽい草の根レベルでの活動の一歩が歩みだせそうな気がします。